全国各地に化け猫にまつわる民話などが残されていますが
沖縄にも、ねこにまつわる、ちょっぴり怖い化け猫伝説がいくつか残されているのをご存知ですか?
今回はその中のひとつ、宜野湾市大山にある「マヤーガマ」をご紹介します。
まずはマヤーガマのお話を。
「その昔、マヤーガマに住む魔物(マジムン)がネコの姿に化け、子供達を次々と
行方知れずにしたそうです。
見かねた村の力持ちが化け猫を懲らしめ、化け猫が逃げ込んだ洞穴の中の甕を
シュロ(ヤシの木)の皮で編んだ縄でくくりつけて封じ込めました。以来、二度と
化け猫が現れることはなくなった」
と言うのが古くから伝わるマヤーガマの化け猫伝説です。
(※沖縄ではネコのことを方言で「マヤ―」、洞穴を「ガマ」と呼びます)
さて、伝説についてお勉強をしたところで、実際に洞穴遺跡を見に行ってみましょう。
場所は国道58号大山交差点から普天間基地入口のすぐ手前にあります。
ガマ(洞穴)と聞くと、おどろおどろしいイメージがありますが、
現在は宜野湾市指定史跡としてきれいに整備され洞穴を間近で見ることができます。
入口には「大山マヤーガマ洞穴遺跡」と書かれた石門があり
ポップなねこのイラストが。。。
「いたずらしちゃうぞ♪」と言っていそうな、ゆるかわな感じがたまりません!
上に書いた伝説からはずいぶんイメージが違う気がしますよね。
ギャップ萌えというやつでしょうか。。
ここから遊歩道が洞穴まで続き、その遊歩道沿いには、
初代宜野湾間切長(現在の首長)の比嘉森助(ひがもりすけ)や
旧石器時代の港川人などを紹介する案内板もあります。
歴史のお勉強になりますね。
少し歩くとガマへ到着。取材した日はあいにくの雨という事もあり、
禍々しい雰囲気が漂っています(怖)。
洞穴内へ入ることはできませんが、案内版によると洞穴内部は、高さ2.5m以上、
幅12m、奥行き7.5mほどと人が動きやすい広さのようです。
洞穴の中には新旧の人骨と死者に添えて葬られた副葬品などの遺物があり、
約3000年前の沖縄貝塚時代から琉球王府時代までの墓造りや死者の葬り方の知る、
重要な場所として調査が行われているようです。
もしかすると、マヤーガマの伝説は死者やそれを納めた古墓の怖さにちなんだ
お話なのかもしれませんね。
洞穴の周囲は緑に囲まれているので散策を楽しみながら伝説や歴史にふれて
みてはいかがでしょうか。
ちなみに…
以前は遺跡から海が見えたそうですが
現在は木々が生い茂って見ることができませんでした。。。
マヤーガマの場所(醴泉の塔近くにあります)
取材:高良蘭(編集部)
撮影:仲本潤